探偵業契約の重要事項説明と調査契約書のポイント

探偵業契約の重要事項説明と調査契約書のポイント

探偵業を開始する際には、契約に関する重要な書類をしっかりと理解し、正確に取り扱うことが大切です。ここでは、探偵業の契約前に必要な「重要事項説明書」と、契約後に取り交わす「調査契約書」について、そのポイントと注意点を解説します。

1. 重要事項説明書とは?

探偵業の契約前に提供される「重要事項説明書」は、契約内容や業務の進行方法について顧客に対して十分な情報を提供するための書類です。この書類には以下のような情報が含まれます。

  • 業務内容の説明: 提供される調査サービスの内容や範囲について詳しく説明されます。
  • 料金体系: 料金の詳細、支払い方法、追加料金が発生する可能性について説明します。
  • 契約の成立時期: 契約が成立するタイミングや契約の有効期間について記載されます。
  • キャンセルポリシー: 契約のキャンセル方法やキャンセル料についての情報が提供されます。
  • 顧客の権利と義務: 顧客が守るべき義務や権利について説明があります。

重要なポイント

  • 詳細な説明: すべてのサービス内容と料金体系が明確に記載されていることを確認しましょう。
  • 透明性の確保: 不明点があれば、契約前に確認し、納得するまで説明を求めることが重要です。
  • 書面での確認: 口頭での説明だけでなく、書面での説明を必ず受け取りましょう。

2. 調査契約書とは?

調査契約書は、探偵業務を依頼する際に取り交わす正式な契約書です。この書類には、調査の具体的な内容や進行方法、双方の義務と権利が記載されています。

  • 調査の目的と内容: 調査の具体的な目的や方法、調査の範囲について詳しく記載されます。
  • 契約期間: 調査が開始する日と終了予定日が明記されます。
  • 料金と支払い条件: 料金の総額、支払い方法、分割払いの有無などが記載されます。
  • 報告書の提供方法: 調査結果の報告方法や納期についての詳細が記載されます。
  • 秘密保持: 調査内容や顧客情報の秘密保持に関する規定があります。

重要なポイント

  • 契約内容の確認: 調査の詳細な内容や進行方法が明確に記載されているか確認します。
  • 料金の確認: 料金に関する条項が正確であるか、追加費用の発生条件について理解しておきましょう。
  • 契約条件の確認: 調査の途中で契約内容を変更する場合の手続きや条件について確認しておきましょう。

探偵業法 第八条第一項
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。

一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 第四条第一項の規定による届出をした公安委員会の名称
三 探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。
四 第十条に規定する事項
五 提供することができる探偵業務の内容
六 探偵業務の委託に関する事項
七 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期
八 契約の解除に関する事項
九 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項

探偵業法 第八条二項
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。

一 探偵業者の商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日
三 探偵業務に係る調査の内容、期間及び方法
四 探偵業務に係る調査の結果の報告の方法及び期限
五 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
六 探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法
七 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
八 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

終わりに

探偵業の契約においては、契約前の「重要事項説明書」と契約後の「調査契約書」それぞれの内容を十分に理解することが重要です。契約に関する疑問点や不明点があれば、契約前に必ず確認し、納得するまで説明を求めるようにしましょう。信頼できる探偵業者と契約を結び、安心して調査業務を進めるための参考にしてください。